Good Joint Life!
~人工関節とリハビリテーションのブログ~
第79回 「股関節と腰」
おはようございます。リハビリテーション部の生井です。
今回のお題は、ヒップスパインシンドローム(Hip-spine syndrome)です。
ヒップ=股関節
スパイン=脊椎
シンドローム=症候群
ヒップスパインシンドロームとは、C M Offierski らが1983年に提唱した概念で、股関節に疾患が有るにも関わらず腰椎に症状が生じる、あるいはその逆(腰椎疾患患者が股関節に症状が出る)事です。
患者様から良く聞く話としては、「腰が痛くて受診したら変形生股関節症の診断を受けた」というような事です。
股関節、脊椎の両方に変形性変化を認めるが病態の主因はいずれか一方であるsimple type、股関節と脊椎の両方に変形性変化を認め、その両方が病態に関与するcomplex type、股関節、脊椎の病態が互いに影響しあっているsecondary type、両者に原因があることを知らずに誤った治療がなされたmisdiagnosed typeの4つのtypeがあります。
simple typeだと、病態がある箇所を治療すれば他の症状は改善する事が多い印象ですが、secondary type、complex typeだと治療に時間を要する事が多い印象です。
まずは原因となっている箇所の治療が必要だと思いますが、それでも改善が思わしくない場合はリハビリテーションも必要かも知れません。
リハビリテーションでは症状がある箇所だけの治療に限らず、他の関節や姿勢・動作の評価なども行い、ヒップスパインシンドロームのような症状にも対応しています。