快適歩行
人工関節・脊椎ブログ 第274回
274回目のブログ投稿です!
2020年7月6日です!
SECOMの日です!
SECOMしてますか?(長嶋茂雄風)
世田谷人工関節・脊椎クリニックの院長の塗山正宏です。
今回のテーマは、
人工股関節置換術と神経麻痺2です。
このテーマは1年半ぶりですね。
では、おさらいです。
人工股関節置換術の合併症のひとつに神経麻痺があります。
人工股関節置換術の手術方法によって
損傷を受けやすい神経が変わります。
後方アプローチの場合は
坐骨神経を損傷する可能性が高くなります。
前方アプローチの場合は
大腿神経を損傷する可能性が高くなります。
簡単にいうと手術の操作をするときに
術野に近い神経が損傷されやすいのです。
ただ後方アプローチでも大腿神経を損傷したり
反対に前方アプローチでも坐骨神経を損傷する場合があります。
それぞれ
坐骨神経麻痺
大腿神経麻痺と言います。
そして、
実は神経によって回復のしやすさが変わります。
坐骨神経麻痺に比べて大腿神経麻痺は回復が早い傾向にあります。
大腿神経麻痺は回復傾向が早く、
関節の機能障害があまり残りませんが
坐骨神経麻痺は回復に時間がかかり
関節の機能障害が残ってしまうことがあります。
ちなみに末梢神経障害にはSeddon分類というものがあり
Seddon分類1)一過性神経伝導障害(neurapraxia)
軸索の断裂を伴わない一過性の伝導障害であり、 原則として数日から数週間,通常 12 週間以内に完全回復する. 肉眼的には正常なことが多く、損傷部位では伝導障害を認める.
2)軸索断裂(axonotmesis) 軸索は断裂しているが、Schwann 管および周膜の連続性は保たれている。 軸索はワーラー変性をきたし、Tinel 徴候が出現するが、 内膜は損傷されていないため再生軸索は元の効果器に到達する。 1 週後より 0.5 ~ 2 mm/日の速度で Tinel 徴候が遠位に進行すれば順調な再生と考えられる.
3)神経断裂(neurotmesis) 軸索,神経上膜が断裂し肉眼的に連続性が無いか、 あっても瘢痕により軸索の連続性が失われている。 自然回復は期待できず神経縫合術の適応であるが、 ある程度の神経過誤支配は不可避である.
Seddon HJ : A classifi cation of nerve injuries, Br Med J1942 ; 2 : 237.239 |
実際にどれくらい神経が損傷されたかによって
神経の回復度合いが変わります。
簡単に言えば
損傷の程度が強ければ強いほど、回復の見込みが薄くなるわけです。
悲しいですが、それが現実です。
ちなみに私の経験では
いままで機能障害が残ってしまうレベルの神経麻痺は経験がありません。
今後も神経麻痺を起こさないように
細心の注意をして手術を行っていきます!
中学生の時は腰痛に悩まされていた
世田谷人工関節・脊椎クリニックの院長の塗山正宏でした。
当院では私と一緒に働いてみたい熱い気持ちをもった
・整形外科の常勤医師 ・理学療法士 ・看護師 ・医療事務 を求めています。
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