快適歩行
人工関節・脊椎ブログ 第7回
7回目のブログ投稿です!
世田谷人工関節・脊椎クリニックの院長の塗山正宏です。
(↑ちょっとワンパターンですね 笑)
また、人工股関節全置換術の話です(笑)
前回は
手術するときの体の向き
仰臥位(あおむけ)と側臥位(よこむき)の違いについて少し書きました。
人工股関節全置換術は
主に4つのインプラントから構成されています。
・カップ
・ライナー
・ボール
・ステム
この4つから構成されています。
骨盤に設置するカップと、
大腿骨に設置するステムがあります。
カップの設置に関しては仰臥位が有利です。
反対にステムの設置に関しては側臥位が有利です。
私の考えとしては
ステムの設置も大事ですが、
カップの設置のほうがもっと大事だと思っています。
カップの設置が悪いと
耐久性に問題が起きる可能性や
脱臼するリスクが上がる可能性があります。
人工股関節全置換術を行う際に
ナビゲーションシステムというものがあります。
ナビゲーションシステムというのは、
簡単に言えばカーナビみたいなものです。
スマホで言えばGoogle map?Navitime?
コンピューターを使って誘導してくれます。
側臥位で手術を行う場合、どうしても骨盤が多少動いてしまいます。
そのため、カップの設置の精度が下がります。
それを防ぐためのお助けツールがナビゲーションシステムなのです。
しかし、仰臥位で手術を行う場合、骨盤が安定しています。
そのため、カップの設置の精度が高くなります。
設置の精度が高くなるため、
ナビゲーションシステムが必要な場合はあまりないと思います。
仰臥位で手術をしている医師は
ナビゲーションシステムの必要性を感じていないはずです。
側臥位で手術を行う場合、ナビゲーションシステムがあると
非常に助かりますが欠点もあります。
ナビゲーションするために傷以外の部分に鉄のピンを刺す必要があります。
さらにナビゲーションするために
コンピューターに骨の位置の情報を登録しないといけません。
簡単にいうと、
ナビゲーションシステムを使用すると手術時間が長くなるのです。
手術時間が長くなれば、
出血量の増加
血栓症のリスク
感染症のリスク増加
筋肉へのダメージ増加
麻酔時間の延長による体へのダメージの増加
などがあります。
私はこれらのリスクを少しでも減らすために
手術時間をなるべく短くすることを常に意識しています。
そのため、
ナビゲーションシステムは基本的に使っていません。
使う必要性を感じてないからです。
その変わりにレントゲンの透視装置を使っています。
手術中にリアルタイムで人工股関節の設置位置を確認してから
手術を終えるようにしています。
そのほうが正確なインプラントの設置が出来て、
さらに手術を早く終わらせることができるからです。
患者さんからは、
よくナビゲーションシステムについて質問されますが
上記のことを説明しています。
毎日鶏肉を食べている
世田谷人工関節・脊椎クリニックの院長の塗山正宏でした。
世田谷人工関節・脊椎クリニック
整形外科・放射線診断科
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