快適歩行
人工関節・脊椎ブログ 第3回
3回目のブログ投稿です!
世田谷人工関節・脊椎クリニックの院長の塗山正宏です。
今回は人工股関節全置換術(THA:Total hip arthroplasty)の
手術方法、手術アプローチについて書いてみたいと思います。
まず、人工股関節全置換術と言っても手術方法は色々あります。
一つだけではないのです。
手術を行うための進入法(皮膚を切開する位置)が主に4つあります。
・前方(Direct Anterior Approach)
・前外側(Antero-Lateral Supine Approach、OCM、Mini-One)
・側方(Direct Lateral Approach)
・後方、後側方(Posterior Approach, PosteroLateral Approach)
それぞれ皮膚を切開する位置が変わります。
手術進入法の中でも出来るだけ体に対する侵襲、ダメージが少ない手術方法を
最小侵襲手術 通称MIS(Minimally Invasive Surgery)と言います。
MISと一言でいっても
皮膚切開が小さいだけの最小皮膚切開手術(Minimally incision surgery)のことを
当初はMISと言っていました。
しかし、皮膚切開が小さいだけで皮膚の下では
従来と同じように筋肉や腱を切離しており、
従来の手術侵襲と大きく変わらないと言われています。
一般的によく行われている
後方アプローチによる人工股関節全置換術は、
最小皮膚切開手術かもしれませんが、
最小侵襲手術ではありません。
現在は、皮膚切開が小さいだけではなく、
さらなる低侵襲を目指し、
筋肉、腱を切らずに筋肉の間から行う人工股関節全置換術を
MISと言います。
人工股関節置換術を行っている病院のホームページなどに
「当院はMISで人工股関節置換術を行っています」と記載があっても
実際は皮膚切開が小さいだけの後方アプローチの場合がありますので
どういうMISなのか患者さん自身でよく確認することが大事です。
私自身は殆どの患者さんに、
本当の意味でのMISである
筋肉、腱を切らずに筋肉の間から行う人工股関節全置換術を行っています。
手術アプローチの話の続きは次回のブログで!
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世田谷人工関節・脊椎クリニックの院長の塗山正宏でした。