2024年1月31日水曜日に『世田谷脊椎地域連携の会2024』をホテル雅叙園東京(目黒区)で開催しました。脊椎脊髄外科領域、特に最小侵襲脊椎治療(MIST)の進歩はこの10年で大きく進歩しています。以前は手術対応できなかった高齢者に対する身体の負担の少ない成人脊柱変形手術(側弯症、腰曲がりなど)や、脊椎内視鏡手術が行えるようになり、脊椎脊髄外科手術の治療戦略も変化してきています。当日は、世田谷地域の開業医の諸先生やメディカルスタッフを中心に40名を超える参加者でありました。本会は、全国からエキスパートの先生を招聘し、脊椎治療の最新の話題を中心にご講演をいただき、世田谷地域の開業医の諸先生、スタッフの皆様と情報を共有することで、世田谷地域の脊椎疾患でお困りの患者さんへ適切な治療を行うことを目的に企画されました。
一般演題として、有村先生(東京慈恵会医科大学/世田谷人工関節・脊椎クリニック)に『脊柱管内カテーテル治療の実際』について発表いただきました。これは当院で導入している新しい局所麻酔でのカテーテル治療であります。これまでブロック治療などで効果の得られなかった患者さんに対して行う手技であり、硬膜外癒着剥離や薬剤注入が脊柱管内カテーテルの進歩により、精巧な手技が行えるようになりました。また特別講演としまして、九州から中村英一郎先生(産業医科大学病院 脊椎脊髄センター部長)をお招きして『超高齢社会における骨粗鬆症の治療』と題してご講演をいただきました。中村先生は九州の産業医科大学病院で数多くの脊椎治療に携わっており、豊富なデータを中心に、脊椎骨折に対する薬物治療から最新の手術手技までご紹介いただきました。
本会で新しい知見の共有および活発で有益な意見交換ができましたことに敬意と謝意を表します。今後の『世田谷脊椎地域連携の会』の発展とともに、今回ご参加していただいた皆様のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。
東京慈恵会医科大学附属病院脊椎・脊髄センター
世田谷人工関節・脊椎クリニック
篠原 光