お一人おひとりに合わせた
低侵襲の人工関節手術を提供
はじめまして、塗山正宏(とやま まさひろ)と申します。
現在整形外科の領域は非常に多岐にわたります。手関節、肘関節、肩関節、股関節、膝関節、足関節、脊椎、骨腫瘍などそれぞれの領域に専門の医師が存在します。私はそのなかで下肢の人工関節手術を専門として現在まで診療を行ってきました。人工関節のなかでも特に人工股関節置換術、人工膝関節置換術を専門としています。
人工股関節置換術というのは、始まった当初は大きく皮膚を切開し、筋肉をバッサリと切開し、骨を切って、人工関節を設置するという2~3時間かかる出血量も多い手術でした。手術後はしばらくベッド上安静にしなければならず、術後6週間後から体重を少しずつかけはじめ、入院期間は約3か月という大手術でした。そして、手術後は股関節を曲げすぎてはいけない、脚を内側に入れてはいけない、また一生杖を使わなければいけないなど日常生活に制限がありました。そのため床に落ちたものが拾えないので、マジックハンドを使用しなければなりませんでした。
それが現在は小さな切開で、筋肉を切らずに人工関節を設置して手術時間が約30分(一般的な手術時間は90~120分)というレベルまで進化しています。手術後は、手術した当日にベッドから起きて立位、歩行訓練を行います。当日からリハビリが始まるのです。筋肉を切らないため回復も早く、術後は約1週間で退院が可能です。昔では考えられなかった両側同時に人工股関節置換術を行うことも可能になっています。また、手術後の脚の動かし方の制限は特にありません。股関節を曲がるだけ曲げて構いませんし、開くだけ開いて構いません。しゃがみこんだって、あぐらをかいたっていいのです。普通に日常生活を送っていただいていいのです。
人工膝関節置換術においても、小さな切開で筋肉を切らずに人工関節の設置を行うようにしています。手術時間も約50分(一般的な手術時間は90~120分)程度で終わるため、手術における身体へのダメージが一般的な人工膝関節置換術の手術よりも少なくなっています。そのため、人工膝関節置換術の術後においても手術当日からリハビリを開始しています。また、両側の膝関節が悪い場合には両側同時に人工膝関節置換術を行っています。両側同時に人工膝関節置換術を行った場合でも当日からリハビリを開始しています。
このように、人工関節置換術は目覚ましく進歩しています。当たり前の話ですが、病院や医師によって手術レベルの差は必ず存在しますが、私は人工股関節全置換術のラーニングセンター講師を務めており、全国から手術見学を希望される医師にご覧いただいています。 (開院からの見学実施 手術見学ブログ)
また、人工関節置換術だけでなく、股関節や膝関節の変形性関節症に対する再生医療にも取り組んでいます。関節の痛みはあるけども、まだ手術は受けたくないという患者さんにとっては、有効な治療の選択肢になると思います。
関節の痛みのために悩んでいる患者さんが沢山いらっしゃると思います。そういった患者さんが痛みから解放され笑顔で退院していく姿を今まで沢山見てきました。悩んでいるのであれば、まずは自分の状態を把握することが大事です。決して手術が全てではありません。しかし、ただ悩んでいるだけでは何も解決はしません。その悩みを解決するお手伝いを少しでもさせていただけたらと思います。
少しでも関節の痛みで困っている皆様に貢献していけたらと思いますので、今後とも何卒宜しくお願い致します。
塗山先生のインタビュー・ 股関節のお役立ちコラム を見る
「名医の信念」では、塗山先生が医師を志したきっかけや医師としての覚悟などインタビュー記事を冊子にいたしました。
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