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腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアの症状や治療について

「腰椎椎間板ヘルニア」という病名をよく耳にするが、どのような疾患なのかよく分からないという方は多いのではないでしょうか?
なぜ腰椎椎間板ヘルニアになるの?どういう治療をするの?痛みはあるけど放置しても大丈夫?そもそも私は腰椎椎間板ヘルニアなの?など、みなさまの疑問を当院の専門医が分かりやすく解説します。

脊椎の模型写真

目次

椎間板ってなんですか?

「椎間板」とは、わたしたちの身体を支える首から腰までの骨を連結させている「骨と骨の間の組織」のことを言います。椎間板の中心には核と呼ばれるゲル状の「髄核(ずいかく)」と髄核を取り囲む柔らかい組織の「線維輪(せんいりん)」の二重構造になっています。
椎間板はクッションのような働きをしていて、背骨にかかる圧力を分散させ、衝撃を吸収。さらに上下の骨を支えたり、お辞儀や体をひねったりという身体の動きに関与している場所です。

正常な椎間板(断面)

腰椎椎間板ヘルニアはどんな病気ですか?

椎間板内の組織の一部が飛び出して神経を圧迫する病気です。

ヘルニアのイメージ画像(横)
ヘルニアのイメージ画像(断面)

腰椎椎間板ヘルニアの典型的な症状は?

「腰椎椎間板ヘルニア」は、腰の痛みや足の痛み、しびれといった症状が出ます。症状が腰の痛みだけしか出ないこともあります(10%程度)。
重症化すると、足のまひや排尿・排便の障害を生じることがあります。

腰椎椎間板ヘルニアになる原因は?

腰椎椎間板ヘルニアの主な原因は、椎間板にかかる強い圧力です。主には前屈みの姿勢で、急に重いものを持ったり、中腰や下を向く作業が多いと椎間板ヘルニアになりやすいと言われています。

弾力性のある椎間板を持つ若年層は、中腰で重いものを持ったときなど突発的に椎間板が飛び出してしまうことがあり、その場合激痛が走ります。
そのため腰椎椎間板ヘルニアは20~40代が多いと言われております。

重たいものを持つ人のイラスト

腰椎椎間板ヘルニアはどんな検査を行いますか?

症状、身体所見、により、椎間板ヘルニアの疑いがあると医師が判断した場合にMRI検査を行います。これによって椎間板ヘルニアの場所や大きさや形、さらに神経がどれだけ圧迫されているかが分かります。MRI検査を行わないと腰椎椎間板ヘルニアと正確に診断するのは困難です。
当院ではレントゲン撮影、CT、MRI検査を採用しており、いずれも院内で検査が可能となります。

レントゲン写真のイメージ画像
MRI,CT

腰椎椎間板ヘルニアはどんな治療を行いますか?

症状によって異なりますが、症状が軽い場合は基本的に保存療法となり、痛み止めの薬を飲んだり、コルセットを着用して安静にします。痛みが強ければ、神経の近くにブロック注射をし、痛みを和らげます。痛みが落ち着いた後、リハビリテーションなどを行うことにより再発を予防します。当院では筋緊張の緩和や体幹トレーニングなどのリハビリテーションを行います。

腰椎椎間板ヘルニアは基本的には、自然に治ることが多いですが、痛みが治まらない場合は手術を検討します。

下肢のまひがひどかったり、排便や排尿の障害が強かったりする場合にも手術適応となります。場合によっては緊急で手術を行わなければいけないこともあります。また、痛みで日常生活が困難になった場合や早期の社会復帰を希望されている方にも手術を検討します。

腰椎椎間板ヘルニアの手術はどのような方法がありますか?

当院では専用の内視鏡を使用して、ヘルニアの摘出や椎弓切除を行う全内視鏡下脊椎手術を導入しています。従来法と比べて体への負担がとても少ない術式で、手術時間は症例にもよりますが、30分~1時間程度です。手術後の痛みも軽く、個人差はありますが、術後3時間から歩行が可能となり、術後3日ほどで退院ができます。
早期の社会復帰が可能であり、忙しい社会人の方でも安心して手術を受けられます。
内視鏡手術が困難な場合もございますので詳しくは外来でご相談ください。

ヘルニアの手術写真

腰椎椎間板ヘルニア手術のリスクはありますか?

感染などの合併症を生じる可能性があります。また、手術前の症状が一部残ることもあります。
ヘルニアをきれいに取り除いても再発リスクがあります(5~10%程度)術後再発防止のため、当院では医師や理学療法士が日常生活の注意点などしっかりとアドバイスいたします。

手術を受けた後の治療はどうなりますか?

手術時間は30分~1時間程度と短いため、内視鏡の手術の場合は次の日に退院が可能です。切開手術の場合でも術後5日ほどで退院ができます。
ご高齢の方で筋力が衰え、歩行が困難な場合は、術後、リハビリテーション病院へ転院してリハビリテーションを行うことがあります。

一般的には、術後3か月程度で再発リスクもさがりますが、個人差が大きいです。
尚、術後1ヶ月程度、患部の安静及び再発防止のため、コルセットを着用していただきます。

腰椎椎間板ヘルニアを放置しているとどうなりますか?

腰椎椎間板ヘルニアを放置した場合、吸収されて自然と治ることがほとんどです。しかし放置して重症化した場合は、緊急手術が必要になることがありますので、早期の受診をお勧めします。

足に力が入りづらかったり、排尿・排便に障害があったりする場合は緊急性が高い場合が多いので、速やかに受診してください。

腰痛の写真イメージ画像

腰椎椎間板ヘルニアセルフチェックリスト

以下の項目にあてはまる場合は椎間板ヘルニアの疑いがありますので、受診をおすすめします。

●腰(腰椎椎間板ヘルニア) 
・常に腰に強い痛みがある 特に前かがみになると痛みが強くなる
・お尻や下肢のしびれがある
・痛みやしびれで歩くのが困難である
・寝返りや起き上がりの動作がきつい

脊椎の違和感などでお困りでしたら・・・

まずはご自身の脊椎の状態を知って原因の早期発見・治療をオススメします。
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