快適歩行
人工関節・脊椎ブログ 第43回
43回目のブログ投稿です!
日本の都道府県のうち県は43!
はい、神奈川県出身の
世田谷人工関節・脊椎クリニックの院長の塗山正宏です。
今回のテーマは、
人工股関節置換術の最新手術方法です。
人工股関節全置換術の
MIS(Minimally Invasive Surgery)の手術方法には主に3種類あり、
・仰臥位前方進入法(DAA:Direct Anterior Approach)
・仰臥位前外側進入法(ALS:Antero-Lateral Supine Approach)
・側臥位前外側進入法(OCM)
この3つの手術方法が筋肉、腱を切らずに行う真のMISと言います。
この前方、前外側を含めた前方系アプローチには
筋肉、腱を切らずに手術を行うため
術後の痛みが少なく、
股関節の安定性を高い状態を保つことが出来ます。
そのため、
人工股関節全置換術の合併症のひとつである
脱臼のリスクが低いのです。
上記については何度かブログで触れてきました。
私は現在ほとんどの患者さんに
仰臥位前外側進入法(ALS:Antero-Lateral Supine Approach)
で人工股関節置換術を行っていますが、
去年からさらに低侵襲な手術方法を取り入れています。
筋肉や腱はもちろん切らないのですが、
関節包靭帯も可能な限り温存する手術方法です。
通常の前方アプローチの手術方法では
Iliofemoral ligament(腸骨大腿靭帯)を大腿骨付着部から切ってしまうのですが
より低侵襲な手術方法では、
腸骨大腿靭帯の一部のみ(赤の部分だけ)を切るだけです。
関節包の一部しか切らないため
術後の人工股関節の安定性が非常に高くなります。
後方に対する脱臼抵抗性が高いのはもちろんですが、
前方の関節包も温存されているため
前方に対する脱臼抵抗性も高いという利点があります。
この手術方法で行った患者さんは
通常の仰臥位前外側進入法(ALS)の手術方法より
さらに術後の回復が早い印象があります。
この手術方法は
患者さんの股関節の変形の程度や体型によっては
適用できない場合があり、
全員に行える方法でありません。
この手術方法は、
現在世の中に存在する
人工股関節置換術の最も低侵襲な手術方法のひとつであるのは
間違いないと思います。
手術方法、手術手技というのは年々進化していきます。
医療が進化していくのと一緒です。
私自身の5年前の手術方法と
現在の手術方法を比較すると確実に手術方法は進化しています。
10年前の手術方法が現在の手術方法の最新、最先端であるわけがありません。
医師としての向上心を常に持っていなければ、
医師としての成長はそこで終わってしまいます。
私は常に向上心を持ち続けていきたいです。
向上心を持てなくなった時、
それは、手術を辞める時かなと思います。
私は今後も患者さんにとって
ベストな手術方法を提供していきます!
どうすればより良い手術ができるのかを考えるのが好きな
世田谷人工関節・脊椎クリニックの院長の塗山正宏でした。
世田谷人工関節・脊椎クリニック
整形外科・放射線診断科
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