Good Joint Life!
-人工関節とリハビリテーションのブログ-
第27回 人工関節置換術リハビリテーションの流れ④
世田谷人工関節・脊椎クリニック リハビリテーション部 理学療法士の生井です。
前回はなるべく早く立つ・歩くことで合併症と筋力の低下を予防していくことを書かせていただきました。
今回も手術後のリハビリテーション(痛みと関節可動域)についてです。
当院の入院中のリハビリテーションは運動療法(関節可動域運動、ストレッチ、筋力増強運動)や動作練習(寝返りを・起き上がり・立つ・歩くなど)と入院中・退院後の生活上の指導(アイシング、ポジショニング、自主トレーニング指導、動作指導)が中心になってきます。
手術後間もない時は患部の炎症がありますので、しばらくはアイシング(氷で冷やして患部の熱をとる)やポジショニング(安楽姿勢で痛みを強くしない)で痛みをコントロールすることが非常に重要です。
くれぐれも動けるからといって動きすぎて炎症を悪化させ、痛みを強くしないように気をつけましょう!炎症が強くなり痛みが長引くと、筋力や動作の改善にも影響します。
痛みがコントロール出来てきたら痛みの範囲内で動作の練習をしていきます。
しかし、手術前から筋肉や関節が硬くて動作の支障になっている方も多いので、関節の動く範囲を広げる運動や筋肉のストレッチを理学療法士と一緒に行い、徐々に自分でもできるようにしていきます。
手術してもストレッチを怠ると関節の動く範囲が広がらず、筋肉も硬くなり、また痛みが悪化することが多々あります。
そのため退院してもストレッチを継続して筋肉や関節の硬さを維持できるように、退院前に自主トレーニングの指導をしていきます。
手術前からストレッチの指導をしていますので、手術後もスムースに実施できる方が多いです。
リハビリテーションは入院中ももちろん重要ですが、それよりも入院前、退院後の自分で行うリハビリテーションの方が重要だと私たちは考えています。
入院前から自主トレーニングを継続する習慣をつけ、退院後のリハビリテーションも継続できるように頑張りましょう。