快適歩行
人工関節・脊椎ブログ 第170回
170回目のブログ投稿です!
4月11日です!
今日はガッツポーズの日です!ガッツ石松のポーズですね!
世田谷人工関節・脊椎クリニックの院長の塗山正宏です。
今回のテーマは
人工股関節全置換術の最新手術方法2です。
1年3か月ぶりくらいに
人工股関節全置換術の手術方法についてのおさらいです。
人工股関節全置換術の
MIS(Minimally Invasive Surgery)の手術方法には主に3種類あり、
・仰臥位前方進入法(DAA:Direct Anterior Approach)
・仰臥位前外側進入法(ALS:Antero-Lateral Supine Approach)
・側臥位前外側進入法(OCM)
この3つの手術方法が筋肉、腱を切らずに行う真のMISと言います。
この前方、前外側を含めた前方系アプローチには
筋肉、腱を切らずに手術を行うため
術後の痛みが少なく、股関節の安定性を高い状態を保つことが出来ます。
そのため、
人工股関節全置換術の合併症のひとつである
脱臼のリスクが低いのです。
さらに組織を出来るだけ温存するために
術後の早期回復を得ることが出来ます。
これらの利点があるために
私は現在ほとんどの患者さんに
仰臥位前外側進入法(ALS:Antero-Lateral Supine Approach)
で人工股関節全置換術を行っています。
色々な人工股関節全置換術の手術方法(前方、側方、後方など)を経験した結果、
この手術方法に落ち着きました。
そして、現在は筋肉や腱を温存するだけでなく
関節包靭帯も可能な限り温存する手術方法
を行っています。
通常の前方アプローチの手術方法では
Iliofemoral ligament(腸骨大腿靭帯)を大腿骨付着部から切ってしまうのですが
より低侵襲な手術方法では、
腸骨大腿靭帯の一部のみ(赤の部分だけ)を切るだけです。
関節包の一部しか切らないため
術後の人工股関節の安定性が非常に高くなります。
後方に対する脱臼抵抗性が高いのはもちろんですが、
前方の関節包も温存されているため
前方に対する脱臼抵抗性も高いという利点があります。
患者さんによっては
腸骨大腿靭帯だけでなく、
恥骨大腿靭帯
坐骨大腿靭帯
のすべての関節包靭帯を温存できる場合もあります。
この手術方法で行った患者さんは
通常の仰臥位前外側進入法(ALS)の手術方法より
さらに術後の回復が早い印象があります。
この手術方法は
患者さんの股関節の変形の程度や体型によっては適用できない場合があり、
全員に行える方法でありません。
具体的に言うと
股関節の変形が強い場合や
脚長差が1cm以上ある場合はが前方関節包靭帯温存が困難となります。
その場合は通常の仰臥位前外側進入法(ALS)になります
この手術方法は、
現在世の中に存在する
人工股関節全置換術の最も低侵襲な手術方法と考えています。
今後も患者さんにとって
ベストな手術方法を提供していきます!
現状に満足したら成長はないと思っている
世田谷人工関節・脊椎クリニックの院長の塗山正宏でした。
世田谷人工関節・脊椎クリニック
整形外科・放射線診断科
股関節・膝関節・骨粗鬆症・脊椎
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